寺田浩明 著《中国法制史》
出版:東京大学出版会
ISBN:978-4-13-032387-1
発売日:2018年01月30日
判型:A5
ページ数:376頁
内容紹介
一元的な全国統治と市場的・契約的な社会を世界史上さきがけて確立した中国は,いかなる法秩序を備えていたのか――社会の一般的特徴の析出にはじまり,民事・刑事の法と裁判のありかた,さらには近代法の新たなモデルなど,伝統中国法の全体像を西洋と日本との比較を踏まえ描き尽くす.第一人者が講義の集大成として書き下ろす,待望のスタンダード・テキスト.
主要目次
序 章 伝統中国の法秩序
1 本講の二つの課題
2 皇帝・紳士・民
第一章 人と家
第一節 家
第二節 人
第三節 宗
第二章 生業と財産
第一節 管業
第二節 服役
第三節 租佃
第四節 所有権秩序の特質
第三章 社会関係
第一節 空間編成
第二節 社会的結合
第四章 秩序・紛争・訴訟
第一節 社会秩序の考え方
第二節 紛争とその解決
第三節 国家裁判機構の概要
第五章 聴訟――裁判と判決の社会的基礎
第一節 聴訟の展開過程1――標準的展開
第二節 聴訟の展開過程2――付随的な諸展開
第三節 聴訟の規範的構造
第四節 ルール型の法と公論型の法
第六章 断罪――犯罪の処罰と判決の統一
第一節 命盗重案の処理1――州県が行う作業
第二節 命盗重案の処理2――覆審の過程
第三節 律例とその働き方
第四節 成案の扱い
第五節 判決の基礎付けと判決の統一
第七章 法・権力・社会
第一節 法内容を語る場所
第二節 心中にある法の社会的共有
第三節 社会と権力
第八章 伝統中国法と近代法
第一節 人間関係と制度的関係
第二節 中国と近代法
終章 文明を跨いだ法の語り方